4回の印刷で元が取れる?クラフトビールラベル内製化のコスト削減効果と事例|小田原ガレージブリューイング様の導入事例
- Anytron Japan
- 8月21日
- 読了時間: 11分
更新日:6 日前
シーズンごとにデザインが変わるクラフトビールラベル。ところが外注は500枚単位。このズレが、そのまま在庫になります。
ラベルを社内で直接印刷すれば、必要な100枚だけを刷り、次のシーズンにはデザインをまるごと変えられます。
酒類・飲料業界でラベルの自社製作を検討されている方に向けて、実際にこの切り替えを実行したクラフトビールラベル内製化の事例をご紹介します。
神奈川県小田原市の小規模ブリュワリーが、シーズン限定ビールのボトルラベルを自社印刷に切り替えました。従来は500枚単位の外注が最低条件でしたが、実際の出荷は100〜150本。ラベルプリンター導入後は必要な分だけを印刷できるようになり、300枚想定で外注の場合約33,900円から自社印刷への移行で約4,677円と、約29,223円の差が生まれました。プリンター本体価格を含めても、4回印刷した時点で自社印刷が有利になる計算です。

(出典:エプソン公式導入事例「小田原ガレージブリューイング様」掲載データ。数値は同社の過去実績に基づきエプソンが算出したシミュレーションです。)
1. 導入企業のご紹介と課題
小田原ガレージブリューイング様
所在地:神奈川県小田原市栄町
創業:2023年5月(JR・小田急小田原駅から徒歩約7分)
事業:クラフトビールの製造・販売+店内ビアバーの運営
規模:年間生産量 約8,000ℓ(目標12,000ℓ)/1タンク1回200ℓ=樽14樽 または330mlボトル約600本
代表:武藤浩氏(2016年に脱サラ、横浜のバーで勤務後、クラフトビール醸造を学ぶ)

「おいしいビール・最高の仲間たち・楽しい人生」をコンセプトに、地元特産物を素材とした個性的なクラフトビールを製造する小規模ブリュワリーです。小田原産十郎梅を使った「JU-LOW(ジュウロウ)」はインターナショナル・ビアカップ2024 Specialty Saison部門で銀賞を受賞しています。
課題:最低ロット500枚 vs 実際の出荷100〜150本
樽用表示ラベル(80×50mm)は500枚単位での外注が基本条件でした。問題はボトル側にありました。
「定番品の2、3種類以外はシーズン毎に製造する種類が変わるので、1種類の出荷はボトル100〜150本程度。ボトル用に商品ラベルを製作するには、少量だと印刷コストが高く、単価を下げようと大量印刷するとストックになってしまいます。」 ― 武藤代表

クラフトビール業界に特有の構造です。シーズン限定・少量多品種であることがそのまま商品性なのに、外注印刷の最低ロットは正反対の方向を要求します。
単価を下げるには大量に刷るしかなく、大量に刷れば次のシーズンには使えないラベルが残ります。
2. 導入決定までの経緯
武藤代表は同業者に相談し、ネットで小ロット対応の低価格な印刷方法を探す中で、カラーラベルプリンターという選択肢に出会います。
「メールで問い合わせをすると、エプソンからはカタログやさまざまな用紙の印刷サンプルを送っていただきました。納入先の拡大やネット販売なども計画していく中で、その後次第にボトルのニーズが高まってきたため、2024年4月にラベルプリンターの購入を決断、月内に導入して運用を開始しました。」 ― 武藤代表
ここで注目したいのは「サンプルを実物で受け取ってから決めた」という点です。ラベルは画面上の色と実際の印刷物の色・質感が異なります。とくに合成紙のように表面特性のある用紙は、実物確認が事実上必須です。
導入機種はエプソン CW-C4020G。デザインはAdobe Illustratorで製造年月日などを修正し、WindowsノートパソコンからUSB接続で印刷するというシンプルな構成です。
3. 導入後の成果 ― 実際のコスト比較
エプソンが同社の過去実績に基づき算出したシミュレーションは次のとおりです。
◆ 外注 vs 自社印刷 コスト比較
区分 | 500枚想定 | 300枚想定 |
外注(合成紙ラベル・ユポ) | 90×180mm 約30,160円 | 90×105mm 約33,900円 |
自社印刷 (CW-C4020) | 80×178mm 約11,055円 | 76×102mm 約4,677円 |
1枚当たり単価 | 約22.11円 (インク5.03円+用紙17.08円) | 約15.59円 (インク1.94円+用紙13.65円) |
差額 | 約19,105円 | 約29,223円 |
◆ プリンター本体価格を含めた累計比較
印刷回数 | 結果 |
4回 | 本体価格を含めても自社印刷が有利になる分岐点 |
10回 | 累計で約30万円の差 |
※ 上記の数値はエプソン公式導入事例ページ掲載のデータです。外注には500枚以上/300枚以上のロット条件があり、実際に100枚しか使用しなかった場合は残りが無駄になります。自社印刷なら必要な分だけ同じ単価で印刷できるという点が本質的な違いです。 ※ 算出条件 ― 本体価格はエプソンダイレクトショップ販売価格(2025年3月10日現在)、金額はすべて税別。CW-C4020のコスト算出条件:印字品質「きれい」、印刷枚数300枚/日、100枚/job。
武藤代表の表現はもっと簡潔です。
「100〜150本単位では、型や版代が要らないラベルプリンターの印刷のほうが遙かに低コストです。」
◆ コスト以上に大きな変化:1枚から印刷できる
「1枚から印刷できるので、納品するホテルに合わせたオリジナルラベルや、お得意先の誕生祝い特製ビールのラベル製作なども試してみることができました。」 ― 武藤代表
これはコスト削減ではなく、なかった商品が生まれたということです。ホテル専用ラベル、記念日限定ラベル ― 外注の最低ロット500枚体制では、そもそも検討の対象にすらならなかった企画です。
◆ 用紙変更による耐久性の改善
導入当初は合成紙ラベル4(幅80mm全面ラベル)を使用していましたが、お客様から「ケースに出し入れする際にラベルが削れて傷が付く」との指摘を受けました。メーカーに相談し、擦過性の高い合成紙ラベル6(80×178mm ダイカット)をテストのうえ採用しています。
合成紙ラベル4 | 合成紙ラベル6 | |
形態 | 幅80mm 全面ラベル | 80×178mm ダイカット |
課題 | 瓶やケースとの擦れで傷が発生 | 傷がつきにくくなった |
ラベルはプリンターだけの問題ではなく、用紙選定が結果の半分を決めることを示す一例です。

4. なぜこの構成が適していたのか
この事例における機種選定のポイントは3つでした。
① 少量多品種に最適化された構造 ― 型・版代が不要なため、印刷枚数が少ないほど外注より有利になります。シーズンごとにデザインが変わるクラフトビールと正確に噛み合う特性です。
② 水・擦れに強い用紙の選択肢 ― 武藤代表はこう評価しています。
「画質は綺麗で発色も良く、インクは水に強くて滲んだりせず、用紙はエプソン純正の合成紙ラベルを使用しているので、夏のイベントやお祭りの際のどぶ漬けなどでも不安がなく、マット調の紙質も気に入っています。」
クラフトビールは冷蔵・結露・氷水への浸漬が日常の製品です。この条件でラベルが耐えられるかどうかが、実用可否を分けます。
③ 小規模事業者が担える運用負荷
「CW-C4020Gは、導入コストも比較的安く、サイズも非常にコンパクトです。カラーLCDパネル表示で操作も分かりやすく、印刷スピードも高速でストレスを感じません。用紙やインク交換も前面から行えるのでメンテナンスも簡単です。」
専任オペレーターを置けない小規模ブリュワリーでは、スペックよりも「代表自身が回せるか」のほうが重要な判断基準になります。
5. 今後の展望
「今後は、小田原らしさを強調しながら、さまざまな新しいデザインのラベル製作に挑戦していくつもりです。また最近は、ほとんどの醸造所が流通コストの安い缶ビールに移行してきているので、キャニングマシンを導入して缶ビールも製造し、そちらでもラベルプリンターを使用していきたいと思っています。」 ― 武藤代表
そして業界全体についてのコメントが印象的です。
「クラフトビール業界では、ラベル内製は当然の選択肢の一つで、ラベルプリンターもあたりまえになってきています。」
(以上、事例内容の出典:エプソン公式導入事例「小田原ガレージブリューイング様」)
こんな課題、抱えていませんか?
上の事例を読んで「うちのことだ」と思われたなら、おそらく次のいずれかに当てはまります。
シーズン限定商品なのに、ラベルの最低ロットは500枚 ― 余ったラベルは次のシーズンには使えない
少量で刷ると1枚当たりの単価が高すぎる ― かといって大量に刷れば在庫に
ラベルの修正1行のために印刷会社へ再発注 ― 賞味期限、アルコール度数、ロット番号
冷蔵・結露環境でラベルがふやけたり剥がれたりする
取引先ごとの専用ラベルを作りたいが、最低ロットのせいで断念
この5つはすべて、「ラベルを何枚単位で作れるか」という1つの問題に収束します。そしてこの問題は、印刷を社内に持ち込むことで構造的に解決します。
では、どの機種を選べばよいのか
ここで次の壁が現れます。ラベルプリンターはメーカーごとに方式が異なり、各メーカーのメーカーは自社製品しか提案できません。
エニトロンジャパンはOKI・キヤノン・エプソンをすべて取り扱うため、特定ブランドを推す理由がありません。まず用途を伺い、それに合う機種をブランドを問わず比較してご提案します。
条件 | 検討可能機種 |
4インチ幅・コンパクト・小ロットからスタート | |
自動剥離(ピーラー)・生産ライン連動が必要 | |
ラベル幅112mm超・大判ラベル | |
クラフト紙・有色瓶・透明フィルムに白印刷が必要 | |
白色メディア中心・耐薬品性を重視 |
全ラインナップはデスクトップラベルプリンター 全製品紹介ページで比較いただけます。
とくにクラフトビールのように茶色い瓶・クラフト紙・有色ラベルを使う場合は、白トナー搭載機のほうが発色で有利なケースがあります。逆に白い合成紙が中心であれば、白機能は不要なコストになります。この見極めからご一緒します。
いま、できる3つのこと
実物で確認する ― 複数のメディア・デザインで構成された無料サンプルKITのお申し込みから。上の事例と同じように、実際の印刷物の発色や質感を手に取ってご判断いただけます。
コストから計算する ― 外注・内製化コスト比較シミュレーターで自社の出荷条件を入力し、損益分岐点をご確認ください。
直接相談する ― メディア・ラベルサイズ・月間出荷量をお知らせいただければ、機種を比較してご提案します。お問い合わせまたはオンライン相談のご予約へ。
FAQ
Q1. クラフトビールのラベルを自社印刷にすると、本当に安くなりますか?
出荷単位によって変わります。上記事例の算出では、300枚想定で外注の場合約33,900円に対し自社印刷では約4,677円と約29,223円の差が生まれ、プリンター本体価格を含めても4回印刷した時点で自社印刷が有利になりました。小ロット・多品種であるほど差が大きくなる構造です。自社条件ではコスト比較シミュレーターでご確認ください。
Q2. 氷水に浸けたり冷蔵で結露したりしても、ラベルは耐えられますか?
対応メディアを使用すれば耐水性を発揮するよう設計された製品群があります。上記事例でも、夏のイベントでのどぶ漬けに問題がなかったとの評価が挙がっています。ただし用紙の種類や保管環境によって結果は変わるため、実際にお使いになるメディアでサンプルのご確認を先におすすめします。
Q3. 瓶やケースと擦れてラベルに傷が付きます。解決方法はありますか?
用紙の変更で改善するケースが多くあります。上記事例でも当初の用紙で擦れ傷の問題が発生し、擦過性の高い合成紙ラベルに変更したことで解決しています。プリンターよりも用紙選定が原因である場合が多いため、現在お困りの症状をお知らせいただければ、メディアから一緒に検討します。
Q4. デザイン作業はどんなソフトで行いますか?
上記事例ではAdobe Illustratorでデザインし製造年月日などを修正したうえで、ノートパソコンからUSB接続で印刷する構成です。特別な専用システムなしに、既存のデザインデータをそのまま活用いただけます。
Q5. 小規模事業者ですが、運用が難しくないでしょうか?
上記事例のブリュワリーは代表自身が運用されており、コンパクトなサイズ・分かりやすい操作パネル・前面から行える用紙/インク交換を理由に挙げています。専任者なしで回せるかが小規模事業者ではスペックより重要な基準となるため、ご相談の際はまずこの点を確認いたします。
Q6. エプソン以外のブランドも見られますか?
エニトロンジャパンはOKI・キヤノン・エプソンをすべて取り扱っています。ブランドメーカーは自社製品しか提案できませんが、当社は用途に応じて最も合う機種をブランドを問わず比較してご提案できます。その他の導入事例は導入事例ページからご覧いただけます。
クラフトビールラベルの内製化、うちにもできるの?
まずは数字で確かめてみてください。エニトロンジャパンが複数のメディアやデザインで構成したメーカー別無料サンプルKITをお届けします。水に強い合成紙、クラフト紙、透明フ
ィルム ― 実物で手に取ってご判断いただくのが確実です。
外注と自社印刷の損益分岐点が気になる方は、内製化コスト比較シミュレーターもあわせてご確認ください。
具体的な導入相談・コスト試算・印刷テスト等のご依頼は、
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