クラフトビールのラベル印刷を内製化!結露・擦れに強い小ロット印刷の導入事例【OKI Pro1040】
「冷蔵庫から出した瓶の結露で、ラベルが濡れてふやけてしまう」
「瓶同士がぶつかるだけで、擦れて黒く変色してしまう」
「外注印刷は1回1万枚から。売れ行きが読めない新商品にはとても発注できない」
クラフトビール業界でよく聞かれるこれら3つの悩みは、ラベルの印刷方式を見直すことで解決できます。水に濡れても色が滲まず、擦れにも強いトナー方式のカラーラベルプリンターなら、必要な枚数だけをその場で印刷可能です。
エニトロンジャパンでは、酒類・飲料業界でラベルの内製化(自社印刷)をご検討中の方に向け、実際の導入事例をご紹介しています。今回は、23年間地域密着の地ビールレストランを運営してきた事業者様が、初の瓶ビール販売にあたりカラーラベルプリンターを導入した事例です。
事例概要
項目 | 内容 |
業種 | クラフトビール製造・地ビールレストラン運営 |
所在地 | 静岡県浜松市 |
課題 | 結露・擦れに強いラベルが必要 外注の最小ロット(1万枚)が新商品に合わない |
導入機種 | OKI カラーラベルプリンター(CMYK 4色 LEDトナー方式) |
成果 | 販売量に合わせた必要枚数の印刷 / 中間色・細線・グラデーションの忠実再現 / オリジナルラベル受注という新規事業の獲得 |
※本事例は2019年11月時点の取材内容をもとに構成しています。数値・体制は取材当時のものです。(出典:OKI Japan 導入事例)
1. 導入企業と課題

静岡県浜松市に本社を置く株式会社浜松アクトビールコーポレーションは、1997年に地ビールレストラン「マイン・シュロス」をオープンしました。店舗内に醸造設備を備え、麦芽・ホップ・水・酵母のみを使用する本格製法で醸造した出来立てのビールを提供してきました。
同社はこれまで「ビールは鮮度が命」というこだわりから、ビールの外販(瓶詰め販売)を行っていませんでした。しかしオープン23年目となる2019年11月、同社初となる瓶ビール「HAMAMATSU BEER(浜松ビール)」の販売を開始します。
その際、大きな壁となったのが「ラベルをどのように調達するか」という問題でした。課題は大きく分けて3つありました。
課題①
冷蔵庫から取り出した瞬間に結露する

瓶ビールを冷蔵庫から取り出すと、寒暖差によって瓶の表面に水滴(結露)が付着します。一般的な水性インクや非耐水紙のラベルでは、この結露だけでラベルがふやけたり、インクがにじんだりしてしまいます。上の写真(左)のように、ラベルの端が浮き上がり、表面が波打ってしまう現象がその典型です。「水に強いカラーラベルを作れること」が第一の必須条件でした。
課題②
瓶同士が擦れると感熱紙は黒ずむ
配送や陳列の際、瓶同士が接触するとラベル表面が擦れます。感熱紙(サーマルラベル)は熱や擦れに反応して黒く変色してしまうため、選択肢から除外されました。優れた耐擦過性と、経年劣化(変色)の少なさが求められました。
課題③
外注印刷は「1回1万枚から」
ラベル制作を印刷会社に外注する場合、1回あたり1万枚規模での発注が必要です。初めて挑戦する瓶ビールで、売れ行きが予測できない段階からこの枚数を抱えるのは現実的ではありません。「販売状況に合わせて作成枚数を調整したい」――これが3つ目の課題でした。外注と内製化で実際にどれほどコスト差が出るかは、外注・内製化コスト比較シミュレーターにて条件を入力してご確認いただけます。
さらに――「オリジナルラベル」という新たなビジネスチャンス

浜松市では毎年5月初旬に伝統的な「浜松まつり」が開催されます。初子の誕生を祝う伝統行事で、お子さんの写真を入れたオリジナルラベルのお酒を贈答品(振る舞い酒)として配る風習があります。手軽なサイズ感の瓶ビールは、この用途に最適でした。
プロジェクト初期から「お客様のご要望に合わせたオリジナルラベルビールを展開しよう」という構想があり、小ロット生産に対応できるラベルプリンターの導入が前提条件となっていたのです。
2. 導入決定までのストーリー

外販へと踏み切ったきっかけは、2019年1月に横浜で開催されたクラフトビールの祭典「JAPAN BREWERS CUP」でした。出品した地ビールが、数ある競合の中で見事2位に輝いたのです。
受賞後、全国から「どこで購入できるのか」「通販はやっていないのか」といったお問い合わせが相次ぎました。社内検討を重ねた結果、瓶ビール販売への挑戦が決定します。
創業当時は「店舗に多くのお客様をお迎えすることで、地元・浜松の活性化に貢献したい」という想いから外販を行っていませんでした。しかし、「地ビールを外販し, それをきっかけに浜松へ足を運んでいただくことも地域貢献になるのではないか」という新たな視点が生まれたといいます。「地元・浜松に貢献したい」という根底の想いはそのままに、手段の幅が広がる形となりました。
選定基準はシンプルな3つの条件
ラベルプリンターの選定にあたり、POSシステムでお世話になっていた取引先にも相談しました。そこで提案されたのが、「耐水性と耐候性に優れたトナー方式のラベルプリンターが最適」という方向性でした。
耐水性が高いこと
耐擦過性(擦れに対する強さ)に優れていること
経年変色が少ないこと
この3条件を満たす機種として最終的に選ばれたのが、OKIのカラーラベルプリンターでした。どのような基準で機種を絞り込むべきか整理したい方は、カラーラベルプリンター導入チェックリスト30選で事前確認項目をまとめています。
3. 導入後の成果
3-1. 販売量に合わせて、必要な枚数だけを印刷

外注の最小ロットに縛られなくなったことで、販売状況に応じた必要枚数をベストなタイミングで印刷できるようになりました。
余剰在庫として抱えるラベルが激減し、デザイン変更や表示内容の修正にも即座に対応可能です。
3-2. 中間色・細線・グラデーションもデザイン通りに再現

瓶ビールを多くの方に手に取ってもらうためには、アイキャッチ効果の高いデザインが不可欠です。同社はラベルデザインを、第一線で活躍する浜松出身のアートディレクターに依頼。「地域の活性化のためなら」と快諾されたそうです。
提案されたのは、浜松まつりの「凧(たこ)」をモチーフにしたデザイン。5種類のビールそれぞれに異なるラベルが用意されました。
デザイナーはラベルの発色に非常にこだわりがあり、印刷テストの段階でラベル用紙を1,000枚以上使用して色味の微調整を行いました。ここで真価を発揮したのが、LED方式ならではの再現力です。
微妙な色の違い(中間色)の再現力
凧糸を表現した繊細な細線が潰れない
高精度なグラデーション表現
外注印刷であれば、これほど何度も色調整を繰り返すことは現実的ではありません。「自社に印刷環境があるからこそ、納得がいくまでデザインを突き詰められた」という点は、内製化の大きなメリットと言えます。
3-3. トナーの持ちは想定以上
販売開始は2019年11月ですが、テスト印刷を含めてすでに3,500枚程度のラベルを印刷。その時点でもトナー残量にはかなりの余裕があり、「思っていた以上にトナーが長持ちするのは嬉しい誤算」との評価をいただきました。
ランニングコストは機種・ラベルサイズ・印字面積によって大きく変動します。エニトロンジャパンでは、実際に印刷予定のデザインデータやサイズをお預かりし、最適な機種選定、外注比較資料、およびコスト試算をご提供しています。
3-4. 「挑戦できる幅」が格段に広がった
導入による最大の効果は、事業として取り組める選択肢が増えたことです。
「ラベルプリンターの導入により、限定ビールの醸造など、挑戦できる幅が大きく広がりました。ラベル制作を外注していたら、これほど柔軟な動きは不可能だったと思います。」―― マイン・シュロス 支配人

今後は、父の日・結婚式・企業ノベルティなど、用途に合わせたデザインテンプレートを用意し、小ロットのオリジナルラベル受注にも対応していく構想が語られました。ラベルの内製化が単なるコスト削減にとどまらず、新たな売上を生み出す手段となった好例と言えます。
4. なぜこの機種が最適だったのか
決め手となったのは「印刷方式」の選択です。クラフトビールのラベルは、「冷蔵→常温」のプロセスで必ず結露に晒され、輸送時には擦れが生じます。ここで求められるのは単なる高画質だけでなく、インクやトナーが用紙にしっかりと定着し、剥がれ・にじみを起こさないことです。
トナー方式は、熱によって樹脂を紙面に定着させるため、水に濡れても色が滲みにくく、擦れにも抜群の強さを誇ります。感熱紙のように熱や摩擦で変色する心配もありません。
また、OKI Pro1040は「CMYK 4色 LEDトナー方式」を採用し、1200dpiのリアル解像度を備えています。細線・グラデーション・中間色の忠実な再現が求められるデザイン性の高いラベルと、耐水・耐擦過という実用スペックを両立している点が、今回のニーズに完全に合致しました。
なお、クラフト紙や色つき用紙、透明フィルムなどに印刷する場合はアプローチが異なります。下地に色があるメディアでは、発色を良くするために「白インク(ホワイトトナー)」が必要となるためです。その場合は、OKI Pro1050(CMYK+ホワイトの5色構成)が有力な候補となります。
5. 動画で見る ―― クラフトビールラベルの印刷
実際にクラフトビール用のカラーラベルが出力される様子をショート動画にまとめました。ロール紙から連続出力され、デザイン通りの鮮やかな発色で仕上がる流れをご確認いただけます。
動画のように、無地のロール紙から必要な分だけを出力する運用に切り替えることで、デザインごとのラベル在庫を抱える必要がなくなります。取扱いラベルの種類が多い事業者様ほど、この削減効果は絶大です。用紙(メディア)選びにお悩みの方は、ラベルメディア(用紙)ご相談窓口も併せてご活用ください。
6. このようなお課題をお持ちではありませんか?
今回の事例で挙げられた課題は、クラフトビール・日本酒・ワイン・清涼飲料水など、結露・冷蔵を前提とする商品全般に共通するものです。
冷蔵保管中の結露でラベルがふやけ、剥がれてしまう
温度差による結露は避けられません。「高耐水トナー方式 + 耐水ラベル原紙」の組み合わせなら、水滴がついても色が滲まず、紙自体も波打ちにくくなります。実際の耐水性は、無料サンプルKITを水に浸してご確認いただくのが最も確実です。
瓶や缶が擦れ合うと、ラベルが黒ずんだり傷ついたりする
感熱紙は摩擦熱で発色してしまうため、輸送や陳列を伴う商品には不向きです。耐擦過性に優れたトナー印刷へ切り替えることで、構造的にこの問題を解決できます。
インクジェットではデザイン本来の色味が表現できない
淡い中間色やグラデーション、繊細なラインが潰れてしまうとお悩みの方へ。リアル1200dpiのLEDトナー方式なら、緻密な色調整を経てデザイン通りの仕上がりに近づけることができます。印刷方式による違いは、デスクトップラベルプリンター全製品紹介でトナー方式・インクジェット方式を比較いただけます。
外注ロットが大きすぎて、新商品や限定品に挑戦できない
1回1万枚といった発注単位は、テスト販売や季節限定商品には適さず、売れ残ったラベルは廃棄コストとなってしまいます。自社印刷(内製化)なら、100枚でも500枚でも「必要な時に必要な分だけ」即座に出力可能です。
一般的に外注印刷は発注ロットが小さいほど1枚あたりの単価が跳ね上がり、小ロットでは1枚あたり数十円になることも珍しくありません。一方、自社印刷は用紙代とトナー代が中心となるため、小ロットであるほどコストメリットが出やすくなります。
※単価は用紙・サイズ・印字率・外注先により大きく異なります。具体的なコスト比較は外注・内製化コスト比較シミュレーターにて試算いただけます。
「お客様向けのオリジナルラベル」に対応したいが仕組みがない
写真入りラベルや名入れ、記念日ラベルなどの数十枚単位の受注は、外注では採算が合いません。バリアブル印刷(VDP)に対応できる環境を社内に構築すれば, これを新たな高付加価値商品として事業化できます。実際の運用フローはオンライン相談(Zoom)にて画面をご覧いただきながらご案内いたします。
7. 機種選定のポイント
ラベルプリンターは「本体価格」だけで選ぶのではなく、ラベル幅・用紙の種類・必要な耐久性・白インクの要否から逆算して選ぶと失敗がありません。エニトロンジャパンでは、OKI・エプソン・キヤノンなど各社製品を取り扱っており、特定メーカーに偏らずお客様の用途に合わせた最適なご提案をいたします。
用途 | 候補機種 |
白地用紙への耐水・耐擦過カラーラベル(本事例のケース) | |
クラフト紙・有色紙・透明フィルム(白インクが必要なケース) | |
まずは小さくスタートしたい / 設置スペースを抑えたい | |
幅広ラベルを印刷したい / 自動化ラインと連携したい |
各機種の詳細スペックはデスクトップラベルプリンター全製品紹介ページで比較いただけます。選定前の事前チェックにはカラーラベルプリンター導入チェックリスト30選をご活用ください。
8. まずは実物サンプルでお確かめください
印刷品質や耐久性は、カタログの数値だけでは判断できません。エニトロンジャパンでは、各ブランドの「無料サンプルKIT」をご提供しております。
耐水・耐薬品・冷凍対応など複数の用紙とデザインで構成されたキットですので、実際に水に濡らしたり、擦ったり、冷蔵庫に入れたりといった検証をご自由にお試しいただけます。
※貴社固有のデザインデータやご指定用紙での出力テストをご希望の場合は、サンプルKITとは別枠で個別対応いたしますので、「お問い合わせ」よりお気軽にご相談ください。
他業種での導入実績につきましては、導入事例一覧よりご覧いただけます。
FAQ(よくあるご質問)
Q1. クラフトビールのラベルは、本当に濡れても大丈夫ですか?
A1. 結露レベルの濡れであれば、「トナー方式 + 耐水ラベル用紙」の組み合わせで問題なくご使用いただけます。ただし、「氷水に長時間浸す」「屋外で常時雨に晒される」といった過酷な環境下では、用紙選定を含めた個別の検証が必要です。実際の保管・流通環境をお知らせいただければ最適な仕様をご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
Q2. 感熱紙(サーマルラベル)ではダメでしょうか?
A2. 店内の価格表示や短期的な管理ラベルであれば感熱紙でも問題ありません。しかし、瓶や缶が互いに擦れ合う商品ラベルの場合、擦れによる摩擦熱で黒ずんだり、経年劣化で印字が消えてしまったりするリスクがあります。商品として出荷・流通させるラベルには、トナー方式または顔料インク方式のご使用を強く推奨しております。
Q3. デザインは自社で作成する必要がありますか?
A3. AI(Illustrator)やPDFなどの印刷用デザインデータをご用意いただければ、そのまま印刷可能です。今回の事例のように外部のデザイナー様へ委託されるケースも多くございます。なお、写真・お名前・日付などを差し替えて印刷する「バリアブル印刷(可変印刷)」の運用フローにつきましては、オンライン相談(Zoom)にて詳しくご案内が可能です。
Q4. クラフト紙のラベルに印刷したい場合はどうすればいいですか?
A4. クラフト紙や有色用紙は地色が白ではないため、通常のカラー印刷を行うと色が沈んで(濁って)しまいます。そのため、下地に白を敷いて発色を良くする「ホワイトトナー搭載機(OKI Pro1050)」が必要となります。今回の事例のように白地のラベル用紙をご使用になる場合は、OKI Pro1040で対応可能です。
Q5. 小ロットのオリジナルラベル受注は、何枚から採算が合いますか?
A5. 外注印刷のような「最小発注ロット」の制約がないため、1案件あたり数十枚規模の極小ロットからでも十分に対応可能です。実際の採算性は用紙単価・印字面積(トナー消費量)・作業工数によって変動します。まずは外注・内製化コスト比較シミュレーターにて概算のコスト感をお試しいただくことをおすすめいたします。
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『食品ラベルプリンター内製化ガイド』
食品ラベルの外注コストや在庫リスクを見直したい方のための、内製化による「コスト削減」と「業務効率化」をまとめたガイドブックです。外注印刷と自社印刷(内製)の徹底比較をはじめ、適切な用紙(メディア)の選び方、食品表示法への対応時の注意点まで分かりやすく解説しています。クラフトビール・食品・飲料業界でラベルの内製化をご検討中の方に最適な内容です。
機種選定のステップに進まれている方は『カラーラベルプリンター導入チェックリスト30選』を、GHS・化学品ラベルが主な用途の方は『GHSラベル内製化ガイドブック』も併せてぜひご活用ください。
※本記事の導入事例は、OKI Japan が公開する導入事例の取材内容(2019年11月)をもとに構成しています。
具体的な導入相談・コスト試算・印刷テスト等のご依頼は、
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