ラベル在庫削減の方法|少量多品種時代の在庫・廃棄コストを減らすには?
更新日:9月18日
この記事の結論
ラベル在庫を減らすために、すべてのラベルを内製化する必要はありません。
外注の最低発注数量より年間使用量が少ないものや、表示・デザインの変更が多い品種だけを、あらかじめ形状が抜かれた「プレカットメディア」+デスクトップカラーラベルプリンター1台によるオンデマンド印刷へ切り替える方法があります。
一方、大量に安定して使用する定番ラベルは外注のままにします。
つまり、
大量・定番品 → 外注を継続(数量によって1枚あたりの単価を下げやすい領域)
少量・変更が多い品種 → 内製化(プレカットメディア+オンデマンド印刷)
という使い分けです。
ラベル在庫や廃棄が発生しやすいのは後者です。そして、後者のために必要なのは大規模な生産設備ではなく、プリンター1台と、自社のサイズ・形状に合わせたプレカットメディアです。

1. なぜラベル在庫は増えるのか?
1-1. SKUは増えるのに、発注単位は変わらない
ここ10年ほどで、日本の製造・流通現場では大きな変化が起きています。一言でいえば、品目数は増え、1品目あたりの使用量は減少しています。季節限定商品、地域限定パッケージ、コラボ商品、EC専用セット、ノベルティ、アレルギー表示改訂への対応、輸出用の多言語ラベルなど、新しいラベルが必要になる理由は年々増えています。
しかし、ラベルの調達方法は大きく変わっていません。
従来のオフセット印刷やフレキソ印刷では、版の製作や印刷前の段取りに固定費が発生するため、一定の最低発注数量が設定される場合があります。一方で、デジタル印刷に対応している印刷会社の中には、数十~数百枚単位から受注しているところもあります。
ここに、構造的なギャップが生まれます。
項目 | 従来 | 少量多品種化後 |
取り扱い品種 | 比較的少ない | 増加 |
品種あたりの使用量 | 比較的多い | 減少 |
表示・デザイン変更 | 少ない | 増加 |
外注の最低発注数量 | 一定数量が必要 | 実使用量との乖離が発生 |
結果 | 在庫管理しやすい | 余剰・廃棄在庫が増加 |
必要なのは200枚なのに、購入できる最低単位は1,000枚。
残り800枚は「安く購入できたラベル」ではなく、まだ廃棄されていない廃棄予備軍になってしまいます。
1-2. 単価が安くなるほど、実質単価は上がる
さらに厄介なのが、発注数量を増やすほど1枚あたりの単価が下がるという見積書の仕組みです。
以下は考え方を説明するための仮定値です。
発注数量 | 1枚あたりの単価(例) | 合計金額 | 実使用200枚の場合の実質単価 |
500枚 | ¥52 | ¥26,000 | ¥130 |
1,000枚 | ¥38 | ¥38,000 | ¥190 |
3,000枚 | ¥24 | ¥72,000 | ¥360 |
見積書だけを見ると、3,000枚発注が最も「安い」ように見えます。
しかし、実際には200枚しか使用せず、残りを廃棄した場合、実質的な1枚あたりのコストは¥360です。見積書に記載されているのは発注単価。実際の損益に残るのは、使用した分に対する実質単価です。
1-3. 形状のあるラベルには型代がかかる

円形・角R・異形など、形状のあるラベルでは、形状ごとに抜型が必要になります。
業者によっては、1形状あたり数千円程度の型代が別途請求される場合があります。
実際に受け取ったプレカット製作の見積では、1形状あたり約¥4,000~¥10,000(ラベルサイズによって変動)が「型代別途」として計上されていました。
この金額はラベル1枚あたりの単価とは別に、発注書上で独立した費用として請求されます。実際の見積書でも、ラベル単価・送料・型代がそれぞれ別の項目として記載されています。
金額だけを見れば、それほど大きな費用ではありません。問題は、形状を変更するたびに、この費用が再び発生する可能性があることです。
そのため、「とりあえず今の形状のラベルを多めに作っておこう」という判断につながり、結果としてラベル在庫がさらに増えるという悪循環が起こります。
📌 エニトロンジャパンでは、プレカットメディアの製作時に型代を請求していません。形状の製作費はメディア単価に含まれています。詳しくは5章でご紹介します。

1-4. 本当の差が出るのは「表示内容が変わったとき」
型代以上に大きな差が出るのが、ここです。
ラベル製作 | 表示・デザインだけが変更された場合 |
外注・印刷済みラベル | 再印刷を発注 → 最低発注数量が再び発生+既存在庫を廃棄 |
プレカットメディア+自社印刷 | メディアはそのまま使用 → データを変更して必要な分だけ印刷 |
外注の場合、表示内容が変更されるたびに最低発注数量から再注文する必要があります。
一方、白無地のプレカットメディアなら、印刷内容に左右されません。
そのため、表示内容が改訂されても、同じメディアを継続して使用できます。
📌 自社の条件で確認したい方は、外注・内製化コスト比較シミュレーターで、品種数や実使用数量を入力して試算できます。
2. ラベル在庫から発生する6つのコスト
ラベル在庫のコストを「在庫金額」だけで考えると、実際の損失の半分も把握できません。
現場で発生するコストには、少なくとも次の6つがあります。

① 廃棄コスト(最も大きく、最も見えにくいコスト) | 使用されないラベルが廃棄される主な原因は、パッケージのリニューアル、表示内容の改訂(原材料・アレルギー・内容量・住所・QRコードなど)、商品の終売の3つです。いずれも、発生時期を事前に正確に予測することは困難です。 |
② 保管スペースのコスト | ラベルロールは保管スペースを必要とし、温度・湿度の管理も必要になります。特に粘着ラベルの場合、粘着剤は高温多湿の環境に弱く、長期保管によって接着力が低下したり、剥離紙から浮き上がったりする場合があります。つまりラベルは、保管しているだけでも品質が変化する可能性のある在庫です。 |
③ 管理工数 | 品種が増えるほど、ラベルそのものが管理対象になります。 「どのロールがどのSKU用なのか」「あと何枚残っているのか」「旧バージョンなのか、新バージョンなのか」こうした確認作業が日常的に発生します。旧バージョンのラベルを誤って貼付する事故も、この管理工数が限界に達したところで起こりやすくなります。 |
④ 欠品対応コスト(在庫があっても欠品する) | 在庫を持つ目的は欠品を防ぐことですが、少量多品種の環境では、在庫が余っている品種と、欠品している品種が同時に存在することがあります。急ぎで必要になった1品種のために、特急発注を行い、割増料金を支払うケースも繰り返し発生します。 |
⑤ 二次印刷工程のコスト | 印刷済みラベルを在庫として保管し、日付やロット番号、バーコードなどを現場で追加印刷する方法も一般的です。 しかし、この方法では、1枚のラベルに2回の印刷工程と2種類の在庫(印刷済みラベル+リボン・インクなど)が必要になります。 印刷位置がずれれば再作業が発生し、印刷済みラベルの在庫がなくなればラインが止まる可能性もあります。 |
⑥ 機会損失 | 最も見えにくいものの、影響が大きいのが機会損失です。「ラベルの発注に2週間かかるから、そのキャンペーンは次の四半期に回そう」「サンプルが100枚しかないから、今回の展示会では新商品を出すのをやめよう」このように、ラベルの調達事情が事業上の判断を制限してしまうことがあります。 |
3.【試算①】食品・化粧品メーカー ― プリンター1台+オーダーメイドのプレカットメディアで内製化
⚠️ 以下はラベル在庫削減の仕組みを説明するために設定した仮想条件による試算であり、実際の企業事例や業界平均値ではありません。実際の導入事例については、デスクトップラベルプリンター導入事例をご覧ください。

想定状況
自社メーカーの食品・化粧品を少量多品種で製造するA社。SKUは24品種で、季節限定商品やギフトセット向けの商品が毎年入れ替わります。ラベルはすべて外注しており、商品ごとに形状(円形・角R・縦長)が異なるという設定です。
課題は3つありました。
最低発注数量が1,000枚。 年間の実使用量は1品種あたり約700枚で、残りは倉庫に保管されたまま。
表示内容の改訂があるたびにラベルを再発注。 形状は同じでも印刷内容が変わるため、残ったラベルは廃棄し、最低数量から再注文する必要がある。特に食品では原材料表示などの改訂時期を正確に予測できない。
形状を追加・変更するたびに型代が別途発生。 金額は1形状あたり数千円程度でも、その都度コストが発生する。
内製化を検討してみても、検索すると「印刷機+後加工機(ダイカッター)」を組み合わせた生産ラインが出てくる。「この規模で導入できる設備ではない」と、検討が止まっていました。
実際に必要だったのはプリンター1台
形状のあるラベルを自社で印刷するために、必ずしもカッティング設備が必要とは限りません。あらかじめ商品サイズに合わせて抜き加工された「プレカットメディア」(白無地ラベルロール)を用意しておけば、そこにカラー印刷するだけでラベルが完成します。
つまり、必要なのは次の2つです。
カラーデスクトップラベルプリンター1台― EPSON CW-C4020やEPSON CW-C6020などのデスクトップ機
自社サイズのプレカットメディア― エニトロンジャパンがオーダーメイドで製作・供給(詳しくは5章へ)
仮想条件
対象SKU:24品種/1品種あたり年間実使用量:700枚(年間合計16,800枚)
形状種類:15種類(24品種のうち、同じ形状を複数SKUで共有するケースを含む)
外注発注単位:1,000枚/1枚あたり¥38(年1回発注)
外注側の型代:1形状あたり¥7,000 × 15形状(ラベル購入費とは別途請求)
エニトロンジャパンのプレカットメディア:型代なし(形状製作費はメディア単価に含含まれる)
内製化後の1枚あたりの実費(プレカットメディア+トナー/インク):¥18
計算
<導入前(外注・印刷済みラベル)>
項目 | 計算 | 年間 |
ラベル購入 | 24品種 × 1,000枚 × ¥38 | ¥912,000 |
型代(15形状分、ラベル購入費とは別途請求) | 15形状 × ¥7,000 | ¥105,000 |
合計 | ¥1,017,000 | |
(このうち未使用分) | 7,200枚 × ¥38 | ¥273,600が廃棄 |
<導入後(プレカットメディア+プリンター1台)>
項目 | 計算 | 年間 |
印刷実費 | 16,800枚 × ¥18 | ¥302,400 |
型代 | 別途請求なし (メディア単価に含まれる) | ¥0 |
合計 | ¥302,400 |
年間削減額:約¥715,000
初期投資はプリンター1台のみ。別途後加工設備を導入する必要がないことがポイントです。(※デスクトップカラ―ラベルプリンターの導入販売価格は約20万円を基準に設定した参考値です。実際の価格は機種・時期・構成によって異なるため、正確な見積もりについては別途お問い合わせください。)
この仮定どおりであれば、単純計算で約3~4か月で投資額を回収する計算になります。
※上記はすべて仮想条件に基づく計算例です。型代はラベル購入費とは別に請求される項目であり、ここでは15形状すべてについて、国内で確認した約¥4,000~¥10,000の範囲の中間値(¥7,000)を適用しています。実際の金額は業者・ラベルサイズ・素材などによって異なります。外注単価・印刷実費も、形状・数量・メディア・機種などによって変動します。プリンター本体価格は約20万円とした参考値であり、実際の価格は機種・時期・構成によって異なります。消耗品・オプションは含みません。

なぜこの構成で十分なのか
形状を「印刷するときにカットする」のではなく、メディアの段階で完成させておく」からです。現場で頻繁に変わるのは、デザインや表示内容であって、ラベルの形状そのものが毎日変わるケースは多くありません。形状が固定されているのであれば、印刷機の横にカッティング設備を置く必要はありません。
さらに、形状製作費がメディア単価に含まれるため、新しい形状を追加しても別途型代が発生しません。一度作った形状のメディアは、季節限定商品のデザインが変わっても、原材料表示が改訂されても、そのまま使用できます。外注ではそのたびに最低発注数量から再注文していた部分を、大幅に減らすことができます。
印刷方式は用途に応じて選択します。冷蔵・冷凍環境や耐薬品性が必要な場合は、耐久性の面で有利なトナー方式のOKI Pro 1040、コンパクトに始めたい場合や発行量が多い場合は顔料インクジェット方式のEPSON ColorWorksシリーズなど、用途に合わせた選択が実務的です。
📌 サイズ・幅・用途から候補を探したい方へ
デスクトップラベルプリンター全機種比較ページでは、価格帯・印刷方式・対応メディア・印刷幅・印刷速度・耐久性などの条件を確認できます。
ページ上部の「自社に合う製品を探す」ボタンから、条件に合う機種を絞り込むこともできます。
4.【試算②】物流・流通加工 ― 輸入品の日本語表示ラベル在庫削減
⚠️ 本章も、説明のために設定した仮想条件による試算であり、実際の企業事例や業界平均値ではありません。

想定状況
輸入雑貨・食品を取り扱う物流センターで流通加工を担当するB社。主な業務の一つが、輸入品に日本語表示ラベルを貼付する作業という設定です。取り扱いSKUは約320種類。このうちラベル貼付が必要な商品は140種類で、140種類すべてについて印刷済みラベルを外注し、在庫として保管しています。
課題は3つです。
輸入者情報・内容量・原産国・原材料などの表示内容が変更されると、既存在庫を使用できなくなる。 商品仕様や仕入先の変更によって表示改訂が発生する可能性があります。
SKUが新設されるたびに最低発注数量で発注。 実際の初回入荷量は、それよりはるかに少ないケースがあります。
ロット番号や入荷日は印刷済みラベルに別のプリンターで追加印刷。 印刷位置のずれによる再作業も一定数発生しています。
仮想条件
ラベルが必要なSKU:140種類/1SKUあたり年間実使用量:平均900枚
外注発注単位:1,000枚/1枚あたり¥38
改訂・終売による年間廃棄率:25%
内製化後の1枚あたり実費(プレカットメディア+トナー/インク):¥18
計算
<導入前(外注・印刷済みラベルを在庫する方式)>
年間発注量:140種類 × 1,000枚 × 年1.5回 = 210,000枚
年間ラベル購入額:210,000枚 × ¥38 = ¥7,980,000
このうち廃棄25%:¥1,995,000が未使用のまま廃棄
二次印刷のリボン・再作業費:年間 約¥420,000
<導入後(プレカットメディアにオンデマンド印刷・試算)>
実使用量のみ出力:140種類 × 900枚 = 126,000枚
年間印刷費:126,000枚 × ¥18 = ¥2,268,000
廃棄:大幅な削減が見込める(必要な時に必要な数量だけ印刷するため)
二次印刷工程:統合(表示内容+ロット+バーコードを1回の印刷で出力)
※1枚あたり¥18の内訳:ラベルサイズ100mm × 60mm、CMYKカバレッジ約20%、エニトロンジャパンが供給するプレカットメディア+トナー/インクのランニングコストを対象とした試算上の参考値です。高額な後加工機を必要としない構成のため、加工費は含まれていません。実際のコストはデザイン・カバレッジ・メディア・機種・稼働量などによって変動します。本体の減価償却費・保守費は含みません。
項目 | 導入前 | 導入後(試算) | 差額 |
ラベル購入・印刷費 | ¥7,980,000 | ¥2,268,000 | ¥5,712,000 |
廃棄損失 | (上記金額に含む) | 大幅削減 | — |
二次印刷関連費 | ¥420,000 | ¥0 | ¥420,000 |
年間合計 | ¥8,400,000 | ¥2,268,000 | 約¥613万 |
さらに、数値化しにくい効果もあります。SKUごとに140種類の印刷済みラベルを管理していた状態から、プレカットメディア数種類+トナーなどに集約できることです。管理対象となるラベルの種類を減らすことで、SKUごとの在庫管理負担も大きく軽減できます。
なぜこの方式が適しているのか
物流・流通加工の現場では、ラベルのデザイン性よりも、「そのロットに必要な情報を、正確かつ迅速に印刷できること」が重要になるケースがあります。つまり、重要になるのが可変データ印刷(VDP)です。また、ライン速度や自動剥離(ピーラー)への対応可否も、機種選定の重要なポイントになります。
出荷量が多く速度を優先するなら、最高300mm/秒のEPSON CW-C8020。
自動剥離やPLC連携によってラインへ組み込みたい場合は、EPSON CW-C6020。
ドラム缶・パレットなどの大判ラベルも扱う場合は、8インチ幅に対応するEPSON CW-C6520。
まずは小規模から始めたい場合は、EPSON CW-C4020が選択肢になります。
取り扱い機種をまとめて比較したい場合は、デスクトップラベルプリンター全機種紹介をご覧ください。
5. エニトロンジャパンの強み ― 装置導入からオーダーメイドメディアの供給までワンストップ

ラベルプリンターを導入する際、意外と大きな課題になるのが「自社製品のサイズに合った無地ラベル(プレカットメディア)をどこから調達するか」です。
ここが解決できなければ、プリンターを導入しても実際の運用を始めることができません。
エニトロンジャパンは、機械だけを販売している会社ではありません。ご希望のサイズ・形状・材質に合わせたプレカットロールメディアを、直接製作・供給しています。
ご要望 | 対応 |
商品サイズに合わせた オーダーサイズ・形状 | 円形・角R・縦長・異形など、サイズを指定して製作 |
特殊素材 | 耐水・耐薬品・冷凍対応・合成紙・フィルム・カラー・透明メディアなど |
型代 | 別途請求なし ― 形状製作費をメディア単価に含む |
コスト | 中間マージンを抑えた直接供給 |
品質 | プリンターとの相性を確認したうえで提案(機種と原反をセットで検証) |
つまり、お客様側で抜型を保有する必要も、後加工設備を導入する必要もありません。
形状はメディア側で完成させておき、お客様はデータを用意して印刷するだけです。
3章・4章の試算で1枚あたり¥18というコストを設定しているのも、この直接供給を前提とした構成によるものです。
つまり、ラベル内製化のハードルはここまで下げられます。 ・後加工設備 → 不要 ・型代→ 別途請求なし(他社見積では1形状あたり数千円程度が計上される場合あり) ・必要なもの → カラーラベルプリンター1台+オーダーメイドのプレカットメディア
📌 プレカットメディアの発注時にご確認ください
プレカットメディアは、1枚単位で製作する商品ではありません。ラベルサイズ・素材・形状によって最低ロール単位が異なり、1ロールあたりの枚数もサイズによって大きく変わります。完全オーダーメイド仕様のため固定価格表はなく、案件ごとのお見積もりとなります。必要数量と合わせて、事前にご相談ください。
ただし、ここで一つ明確に区別しておきたいポイントがあります。プレカットメディアの在庫と、印刷済みラベルの在庫は性質がまったく異なります。メディアは白無地なので、表示内容やデザインが変更されても継続して使用できます。廃棄につながるのは「印刷済み」の在庫です。
この記事で削減を目指しているのも、まさにこの部分です。まずは実際の印刷品質やメディアの質感をご確認ください。
無料サンプルKITでは、メーカーごとに複数のメディア(耐水・耐薬品・冷凍用など)と、さまざまなデザインで構成した既製サンプルKITを無料でお届けしています。
自社サイズに合わせたプレカットメディアの見積もり・最低ロール単位の確認については、ラベルメディア相談で個別にご案内します。
6. こんな課題はありませんか?
2つの試算は業種が異なりますが、抱えている課題の形は共通しています。
以下の項目のうち、3つ以上に当てはまる場合は、ラベル在庫がすでに利益を圧迫している可能性があります。
実際の使用量より多い数量で発注せざるを得ない(最低発注数量の制約)
形状は同じなのに、表示内容の改訂によってラベルを再発注したことがある
形状を追加・変更するたびに型代を別途支払ったことがある
パッケージリニューアル・表示改訂時にラベル在庫を廃棄した経験がある
倉庫に、どのSKU用なのかすぐに分からないラベルロールがある
旧バージョンのラベルを誤って貼付したことがある、またはそのリスクを感じている
印刷済みラベルに日付・ロットなどを追加印刷する二次工程がある
急ぎのラベルのために特急発注・割増料金を支払ったことがある
ラベルの調達期間が原因で、キャンペーン・新商品のスケジュールを変更したことがある
「内製化=大規模な設備投資」と考え、検討を止めたことがある
これらはすべて、「ラベルをあらかじめ完成品として作り置きする」ことから派生する問題です。個別に対応するだけでは解決しにくく、調達方法そのものを見直すことで、複数の問題をまとめて軽減できる可能性があります。
7. ラベル在庫を減らす3ステップ
冒頭の結論どおり、いきなり全品種を内製化する必要はありません。順番を分けることで、より現実的に進めることができます。

STEP 1 ― 廃棄率の高い品種だけを選ぶ(1か月)
最初から全品種を確認する必要はありません。まず、「年間使用量が最低発注数量より少ない品種」と、「直近2年間に改訂・終売が発生した品種」の2つを抽出してみてください。このリストが、内製化を検討する最初の候補になります。
STEP 2 ― 対象品種のプレカットメディアを決め、プリンター1台で運用する(3~6か月)
対象品種について、必要なサイズ・形状・素材のプレカットメディアを決定します。形状の種類を整理できれば、原反の管理品目もその数に集約できます。大量かつ安定して使用する定番品は、引き続き外注を利用します。ポイントは「全量を切り替える」のではなく、「在庫・廃棄が発生している品種だけを切り替える」ことです。
STEP 3 ― 二次印刷工程を統合する(6か月以降)
印刷済みラベル+日付の追加印刷という分かれた工程を、1回の出力にまとめます。
カラーのデザインと可変情報(日時・ロット・バーコード・QRコードなど)を1台・1工程で処理できれば、印刷済みラベルの在庫、二次印刷用のリボンなどの在庫、位置ずれによる再作業を同時に減らせる可能性があります。
ステップ | 期間 | 目標 | 確認指標 |
1 | 1か月 | 廃棄が発生している品種を特定 | 品種別(発注量-使用量) |
2 | 3~6か月 | 対象品種をプレカットメディア+オンデマンド印刷へ | 月間の廃棄ラベル金額 |
3 | 6か月~ | 二次印刷工程を統合 | ラベル1枚あたりの総工数 |
8. 業種別に見る、ラベル在庫が発生しやすいポイント

食品・加工食品
・在庫が発生しやすいポイント: 原材料・アレルギー・内容量などの表示改訂、季節限定パッケージ、小分け規格の変更。
表示改訂は法令対応のため延期できない場合があり、改訂時点で既存ラベルを使用できなくなることがあります。冷蔵・冷凍環境では、結露への耐水性も条件になるため、メディア素材の選定が重要です。
化粧品・雑貨・ノベルティ
・在庫が発生しやすいポイント: 少量多品種の商品構成、販促・イベント限定品、商品ごとに異なる形状。
商品ごとに形状が異なる場合、型代が積み重なりやすいため、オーダーメイドのプレカットメディアを活用するメリットが出やすい領域です。
クラフト飲料・酒類・コーヒー
・在庫が発生しやすいポイント: 限定ロット、バッチごとのラベル、コラボ商品。
1回あたりの生産量が少ないほど、外注ではラベルが余りやすくなります。黒・クラフト紙・透明フィルムなどの有色・透明基材では白色のベースが必要になる場合があるため、白トナーに対応するOKI Pro 1050も検討対象になります。
化学・工業製品(GHS)
・在庫が発生しやすいポイント: 成分改訂、SDS更新、容器サイズの追加。
GHSラベルは法定表示への対応が必要なため、改訂時には迅速なラベル切り替えが求められます。耐薬品・耐水・耐擦過性などが前提となる場合は、トナー方式のOKI Pro 1040や、大判対応が必要な場合はEPSON CW-C6520などが検討候補になります。
物流・流通加工
・在庫が発生しやすいポイント: 輸入品の日本語表示ラベル、現品票、保管場所ラベル、出荷ラベル。
SKUの新設頻度が高く、情報変更も多い環境では、完成品ラベルを大量に在庫する方式との相性が悪くなりやすい領域です。カラーで区別することで、作業ミスの防止につながる場合もあります。
📌 どの用途が自社に当てはまるのか判断しにくい場合は、実際の印刷物をご確認いただくのが近道です。無料サンプルKITから無料でお申し込みいただけます。
9. 機種選定のポイント ― 「一番いい機械」ではなく「在庫が発生しにくい条件」
形状をプレカットメディアで解決することを前提にすると、機種選定で確認すべきポイントも絞り込めます。
確認項目 | なぜ重要か | 確認するポイント |
最小出力数量 | 必要な分だけ出力できれば在庫を抑えられる | セットアップなしですぐ出力できるか |
対応メディア | 使用したいメディアが通らなければ意味がない | 合成紙・フィルム・有色紙・透明素材への対応 |
可変データ(VDP)処理 | 二次印刷をなくすための重要ポイント | 日付・ロット・バーコード・QRコードを一括出力できるか |
耐久性 | 不適合の場合、再作業・廃棄につながる | 耐水・耐薬品・耐擦過性 |
消耗品の管理単位 | 消耗品の種類が増えると別の在庫問題になる | 消耗品の種類と寿命 |
エニトロンジャパンでは、OKI・Epson・Canonの製品を取り扱っているため、特定メーカーに限定せず、用途を基準に比較できます。
メーカー 及び機種 | 主な方式 | 強みが出やすい条件 | 検討時の 確認ポイント |
OKI (Pro 1040 / Pro 1050 / C931dn / C651dnw) | LEDトナー | 耐水・耐薬品・耐擦過性が必要な用途。GHS・化学・高付加価値ラベル。Pro 1050は白トナーで有色・透明基材にも対応 | 必要な印刷幅(Proシリーズ125mm)、白色が必要か、消耗品のランニングコスト |
Epson(ColorWorks CW-C4020 / C6020 / C6520 / C8020) | 顔料インクジェット | 導入ハードルを下げたい場合や、ラインへ組み込みたい用途。ピーラー・PLC連携・高速出力・幅の選択肢が多い | 必要な幅(4インチ/8インチ)、速度、オートカッター/ピーラー |
Canon (LG-P800 / LX-D400 / LX-P5500) | 顔料/染料インクジェット | 広幅(LG-P800:216mm)や高速バッチ出力(LX-D400:330mm/秒)など、機種特性が条件に合う場合 | 指定消耗品の運用条件、必要な耐久性(耐水性など) |
※さらに拡張する場合のソリューション 毎日のようにラベル形状そのものが変わる場合や、プレカットメディアの交換さえ負担になるほど多品種な環境では、印刷からカットまでを一貫して行えるラベル生産システム(ANY-BLADE / ANY-CUT / ANY-JET)も選択肢になります。ただし、多くの現場ではプレカットメディア+ラベルプリンター1台で対応できるケースがあります。
品種数、1品種あたりの数量、メディア素材、必要な印刷幅、形状の種類、表示改訂の頻度。これらの条件が分かれば、候補機種を2~3機種程度に絞り込んでご案内できます。
10. 導入検討時によくある3つの誤解
誤解①「内製化には大規模な設備が必要なのでは?」
最も多い誤解です。形状が毎日のように変わる現場でなければ、デスクトップカラーラベルプリンター1台とプレカットメディアだけで対応できる場合があります。抜き加工はメディアの段階で完了しているため、後加工機を保有する必要がありません。3章の試算のように、初期投資はプリンター本体1台分を前提として検討できます。
正確な本体価格は機種・構成によって異なるため、お問い合わせからご確認ください。
誤解②「1枚あたりの単価が外注より高くなるのでは?」
大量かつ安定して使用する定番品だけを見ると、外注が有利な場合があります。しかし、在庫削減の対象にするのは、大量品ではなく少量品です。200枚しか使用しない品種では、実質単価が¥190~¥360になる場合があります。
一方、プレカットメディア+トナー/インクの実費を条件に応じて¥18前後と設定した場合、比較すべきなのは単純な発注単価同士ではなく、「実質単価」と「実使用コスト」です。
誤解③「現場で運用できるの?」
現実的な懸念ですが、基本的な操作は、一般的なオフィスでの文書印刷と大きく変わらないケースがあります。
プリンターにメディアロールをセット
IllustratorやPDFなどから印刷
自動で出力
完成したラベルを製品に貼付
ただし、実際の運用で重要になるのは、プリンターの性能だけではありません。ラベル編集ソフトの運用設計も重要です。テンプレートを何種類に整理するのか、データ連携をどこまで行うのか、誰がマスターを管理するのか。こうした部分は、機種・メディアの選定と合わせて事前に決めておく必要があります。
運用設計について相談したい場合は、オンライン相談の申込み時に、その旨をお知らせください。画面共有をしながら一緒に整理できます。
導入検討を始めるなら
実際の印刷物・メディアを確認したい → 無料サンプルKIT
自社条件でどの程度コストを削減できるか確認したい → 外注・内製化コスト比較シミュレーター
自社サイズのプレカットメディアについて相談したい → ラベルメディア相談
よくある質問(FAQ)
Q1. 自社製品のサイズに合った無地ラベル(プレカットメディア)はどこから調達できますか?
エ二トロンジャパンがオーダーメイドで製作しています。円形・角R・縦長・異形など、指定サイズ・形状で製作でき、耐水・耐薬品・冷凍対応・合成紙・フィルム・有色/透明など、用途に合わせた素材も選択できます。中間流通を介さない直接供給により、コストを抑えながら安定した調達を目指せます。ただし、1枚単位での製作ではなく、最低ロール単位はサイズ・素材・形状によって異なります。
完全オーダーメイド仕様のため固定価格表はなく、案件ごとの見積もりとなります。
必要数量と合わせて、ラベルメディア相談からご相談ください。
Q2. 形状のあるラベルを内製化する場合、カッティング設備は必要ですか?
形状が固定されている場合は、必ずしも必要ではありません。
あらかじめ形状を抜いたプレカットメディアを使用すれば、印刷だけでラベルを完成させることができます。抜き型自体はメディア製作工程で必要になりますが、エニトロンジャパンではこの型代を別途いただいておりません(メディア単価に含まれます)。
なお、国内の他社見積では、1形状あたり約¥4,000~¥10,000がラベル購入費とは別の項目として計上される場合があります。毎日のようにラベル形状そのものが変わる環境では、印刷から抜き加工まで行えるラベル生産システムが選択肢になりますが、該当する現場は限定的です。
Q3. ラベルの品種が何種類以上なら、内製化を検討する価値がありますか?
品種数そのものより、「年間使用量が最低発注数量より少ない品種が何種類あるか」が一つの判断基準になります。さらに、表示改訂のたびにラベルを再発注している、または形状変更のたびに型代を別途支払っている場合は、品種数が少なくても効果が出る可能性があります。自社条件での試算は、コスト比較シミュレーターで確認できます。
Q4. 少量印刷に切り替えると、品質が低下しませんか?
少量印刷だからといって、必ずしも品質を下げる必要はありません。取り扱い機種には1200dpiの解像度に対応した製品があり、トナー方式のOKI Pro 1040・OKI Pro 1050は、耐水・耐薬品・耐擦過性が求められる用途でも検討できます。実際の仕上がりはメディア素材によっても変わるため、無料サンプルKITで実際の印刷物をご確認いただくことをおすすめします。
Q5. 日付・ロット・バーコードなどの可変情報も一度に印刷できますか?
可能です。カラーのデザインと可変情報を1回の印刷工程に統合することが、ラベル在庫削減の大きなポイントになります。印刷済みラベルと二次印刷用のリボンなどの在庫を減らし、印刷位置のずれによる再作業も軽減できます。ラインへの組み込みや自動剥離が必要な場合はEPSON CW-C6020シリーズ、大量・高速出力ならEPSON CW-C8020などが候補になります。
Q6. 消耗品やメディアの在庫が増えるのでは?
管理対象を整理することで、むしろ管理しやすくなる場合があります。
印刷済みラベルをSKUごとに保管する方式から、プレカットメディア数種類+トナー/インクへ集約できるためです。形状の種類をあらかじめ整理しておけば、メディアの管理品目も少数にまとめられます。また、メディアは白無地のため、表示内容が改訂されてもそのまま使用でき、印刷済みラベルの在庫とは異なり、廃棄リスクを抑えやすいという特徴があります。ただし、消耗品の種類や寿命は機種によって異なるため、機種選定時に合わせてご案内します。
Q7. 逆に、ラベルは外注したほうが安いケースもありますか?
大量・定番・変更が少ないケースです。年間使用量が最低発注数量を十分に上回り、デザインや表示内容も安定している場合は、版や型などの固定費を数量で分散できるため、外注の1枚あたり単価が下がる場合があります。表示改訂がほとんどないことも前提条件です。この場合は無理に内製化する必要はありません。
外注を継続しながら、少量・変更の多い品種だけを内製化する併用運用が、現実的な選択肢になります。
Q8. ラベル内製化にはデメリットもありますか?
あります。主なものは、
① 設備の初期投資・保守費用
② 自社での色管理
③ メディアの選定・在庫管理(この部分はエニトロンジャパン側で供給・提案できます)
④ オペレーターの育成と、テンプレート・データ運用ルールの整備
⑤ 大量品種では外注より1枚あたりの単価が高くなる可能性などです。
これらを考慮し、どの品種を内製化するかを絞り込むことが重要です。
Q9. ラベル在庫の削減だけで、プリンターの導入費を回収できますか?
条件によって異なります。回収可能かどうかを左右する主な要素は、年間出力枚数・対象SKU数・現在の廃棄率・表示改訂頻度・型代の発生頻度・外注単価と内製化後の実費との差です。ただし、プリンター本体の価格は時期によって変動する可能性があります。また、コスト比較シミュレーターはラベル自体のコスト差を試算するもので、プリンター導入費を含めた投資回収期間までは算出していません。
正確な回収期間を確認したい場合は、自社の条件(品種数・年間使用量・現在の外注単価など)と合わせて、お問い合わせまたはオンライン相談からご相談ください。
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